ビーチはどこにする? (ベトナム4)

 
一年前、新婚旅行でタヒチに行って以来、すっかり海好きになってしまった私達は、ベトナムを南下していく途中、どこかのビーチに寄ろうと計画していた。ベトナムで有名なビーチといえばニャチャン。ハノイでのハロン湾ツアーで一緒だった韓国人の女の子は、ムイネーを薦めていた。
  写真集などでよく見かけるニャチャンはとても魅力的だし、ムイネーも静かで良さそう。でも今回は、ガイドブックにある”コバルトブルーの海”という言葉に惹かれてカーナービーチに行ってみることにした。ムイネーよりさらに観光客が少なそうなのも決めた理由の一つ。たまには何にもしないでビーチでのんびりもいいよね、ということになったのだ。

  ホイアンからカーナービーチに向かうバスは、5時間も遅れて来た。そして10時間後、経由地のニャチャンに到着。ニャチャンはリゾートの雰囲気の漂う大きな町だった。ここでムイネー経由ホーチミンシティー行きのバスに乗り換える。バス会社のお姉さんに「本当にカーナーでいいの?ムイネーの方がgoodよ!」と言われ心が揺らいだのだが、「コバルトブルー、コバルトブルー・・・」とつぶやきながら、そんなお誘いも振り切り、途中のカーナービーチで降ろしてもらうことになった。 
  地図で見ていたときには、バスはずっと海沿いを走るのかと思っていたけど、ちっとも海は見えず、ニャチャンを出たバスは、ついに山道を登り始めた。そして下りに差し掛かったと思ったそのとき、目の前に海が見えてきた。感動したのもつかの間、またあっという間に海は見えなくなってしまった。
  さらにバスは走る。このころからちょっと嫌な予感がしてきた。「もしかして・・・」「まさかね〜・・・」といっているうちに、バスが止まった。嫌な予感は見事的中。そう、カーナービーチで降りる予定だったのは私達だけで、運転手さんにはすっかり忘れられてしまっていたのだ。ここはムイネービーチだった。二人でちょっと考えたけど、来てしまったものは仕方ない。今さらもう一度バスに乗ってカーナービーチまで行く元気もないし。ということで、ムイネービーチに泊まっちゃうことにした。

  バスが着いたのは、バス会社の提携しているホテル。最初は、勝手にこのホテルに連れてこられてあまりいい気分ではなかった。でもここは、ムイネービーチのリゾートホテルが並んでいる辺りからはだいぶ遠く、暑さとバックパックの重さに負け、宿泊することに決めた。
  住めば都とはよく言ったもので、泊まってみるとなかなか良いホテルだった。部屋の中はリゾートホテルと呼べるような感じではなかったが、一応バンガロウ風になっている。庭はちょっと狭いがわりときれいで、椰子の木が生え、ハンモックが吊るしてあり、デッキチェアが置いてあり、海へとつながっている。そして値段はムイネービーチでは破格の7$だった。2泊しかしなかったのだが、居心地はよかった。
  ムイネーという場所もまたよかった。椰子の木が立ち並ぶビーチ沿いの道を自転車で走るのは気待ちよい。バイクを借りてムイネー村へ行ってみれば、ニョクマムの香りが漂い、何百という漁船が停泊する港を見ることができたし、村の近くにある砂丘を見に行くこともできた。夕方には地元の人達が、ニョクマム作りの材料になる小魚を捕るために地引網漁をしている光景を、間近に見ることができた。楽しいビーチでのひとときだった。

  私達は間違えて来ちゃったけど、ムイネービーチ、お勧めです。

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