旧正月のベトナムをめざせ! (マカオ〜ベトナムへ)

 
 香港もマカオも、滞在中どんどん旧正月の準備が進んでいった。特にマカオのセナド広場は、1日ごとに電飾が増え、通りには屋台が立ち並んでいき、このまま旧正月までマカオに居てしまおうかとも思った。
が、ここは初志貫徹。旧正月をベトナムで過ごすべく、中国を一気に走り抜けることにした。

 1/18(旧正月まであと4日)マカオから中国の珠海へ抜ける国境に来た。マカオは中国に返還されたのだが出入国手続きはしっかり行われる。初の陸路国境越えにワクワクし、ビザなしでの中国入国にドキドキしながら出入国管理事務所に入った。
旧正月間近ということもあってか、国境は大きな荷物を持った中国人で溢れかえっていた。マカオを出国し、フェンスで囲まれた通路を歩いていく。旅行者の姿はまったく見かけなかった。ふと視界が開けると、そこにはこれぞ中国、というような大きな建物が現れた。中国側の入国事務所だ。中央にある窓口で入国カードをもらう。中国人用の窓口の長蛇の列を横目に、外国人窓口へ。何の問題もなくあっさりと中国に入国できた。
 入国までは問題なかったのだが、私達は珠海に関して、というかこれからベトナムに下るまでの情報をほとんど持っていなかった。とりあえずここから南寧までバスで行けるはずだ、と人がたくさんいそうな地下街へと降りていく。バス会社のカウンターがあったので聞いてみるが、英語がまったく通じない。仕方なく筆談となった。「南寧」と書いてみる。あまり反応がない。たしか南寧行きのバスは香州というバスターミナルから出ていると書いてあったなと思い、「香州」と書いてみる。と、理解してくれたようで香州バスターミナルへの行き方を教えてくれた。更に親切なお姉さんがこう書いてくれた。「如果現在春期・・・広州・・・」漢字の意味から察して「今は旧正月で混んでいるのでバスがなかったら広州まで行くとよい」ということらしい。ここは中国かと思うくらい(失礼かな?)みんな親切だった。
 1時間ほどバスに乗りやっと香州バスターミナルに着くと、ここもまた中国人で埋め尽くされていた。さすが人口世界一の国。バスターミナルには何社かバス会社があって、それぞれいろいろな方面にバスを走らせている。ここも英語は通じない。「南寧」と書くと「没有」と返ってきた。やっぱり没有かと思い、違う会社の窓口で聞いてみる。「tomorrow」・・・?どこも英語が通じなかったため一瞬英語だとわからなかったが明日ならあると言っているのだ。これを逃したら南寧に行けないと思い、翌日の切符を買うことにした。思いがけず珠海で一泊することになったが、バスターミナルの隣にホテルも見つかった。なんとかなるものだ。

 1/19(旧正月まであと3日)朝10時、今日もバスターミナルはたくさんの人でごった返している。私達の乗るバスが見つかると、二人で一瞬顔を見合わせた。
「寝台車じゃないね・・・」。たしか南寧まではバスで20時間。昨日sleeping carって言ってたのに。でももう乗るしかない。覚悟を決めて乗り込んだ。バスはとてもきれい。道路も舗装されていて快適。出発早々、ミネラルウォーターのサービスもあり昼食付き、さらに車掌さんはとっても愛想がよく親切だった。お昼過ぎに木造平屋建ての小さな小屋の前にバスが止まった。ランチタイムらしい。小屋にある小さな窓口にバスの乗客が殺到していた。どうやらそこでお弁当が貰えるらしい。お弁当は人数分あるはずなのだが、みんな我先にと窓口に詰め寄り、並んでいてはいつまでたっても貰えそうにない。そこで私も中国流に窓口に詰め寄ってお弁当をゲット。お弁当は、こんな小屋の中で作っているとは思えないくらいおいしかった。さすが中国。お弁当を食べ終わるか終わらないかというときに、バスの出発の合図が聞こえた。早い、早すぎる。さすが中国・・・。
 外が暗くなり、今日は座ったまま寝るのか〜と思っていると、バスがターミナルに入っていき、みんなぞろぞろとバスを降りはじめた。もしやと思って「南寧?」と聞くと、うなずかれた。予想していた時間の半分、10時間で南寧に着いてしまった。外は真っ暗。バスターミナルの建物に入ると、まるで私達のためにあるかのように宿泊案内所が一件。これはここに泊まるしかないね、とホテルに案内してもらった。

 1/20(旧正月まであと2日)ホテルで8時の列車があることが確認済みだったため、早朝にホテルを出発し南寧駅へ向かった。運良くホテルが駅のすぐ近くだった。次の目的地はベトナムとの国境に近いピンシャンだ。駅のチケット売り場へ行き、「ピンシャンに行きたい」と告げると、無常にも「没有」の返事が返ってきた。今日行けないと旧正月に間に合わない。「ハノイ行きは?」と
聞くとあっちと指差される。そちらに行ってみると、チケット売り場の一番左に国際列車専用の窓口があった。窓口で「ハノイに行きたいんだけど」と言う。国際列車専用なだけあって、英語が通じた。英語なんてちょっとしか話せない私達だけど英語が通じるってありがたいと思ってしまった。
 ハノイ行きの切符はあった。窓口のお姉さんはすべて手書きで丁寧に切符を作り始めた。とても時間がかかるので、後ろに並んでいる中国人たちがイライラし始め、後ろから押してきたり、横から割り込んできたりする。その攻撃に耐えてやっと切符を手にすることができた。これで大晦日にハノイに辿り着けることになり一安心。ただし列車の出発時間が19:20、10時間以上も時間を潰さ
なくてはならなくなった。これが辛かった。南寧はとっても寒くて、外を歩いていると凍えそうなくらい。デパートに行ってみたけどやっぱり寒く、マクドナルドとケンタッキーをはしごしてなんとか寒さをしのぐことができた。
 ハノイ行きの列車は一等でコンパートメントになっており、なかなか快適だった。夜中の12時、コンパートメントの扉をノックされた。扉を開けると公安の姿があった。中国の出国手続きをするらしい。入れ替わり立ち代わり何人も公安が入ってくる。出国のカードを渡され、パスポートを集め、体温を測り、荷物を調べる。荷物はくにおくんのリュックだけ調べられた。
ワイセツ物がないか調べているようで、本を見せろと言われていた。ここでは列車に乗ったまま出国手続きができるのだが、恐ろしく時間がかかる。2時間ほど経ってやっと列車が動き出した。が30分ほどでまた止まった。ここでベトナムの入国手続きをし、列車を乗り換える。入国カードと健康診断の用紙を書く。
さらに、また体温を測られ、体温測り代として1人1$取られた。SARSがなくなれば体温の測定はやらなくなると思うが、レシートに2000d(14円くらい)と書いてあったので1$はあきらかに取りすぎ。入国前でレートもわからず払ってしまったけど、訴えれば安くなったと思う。ここでもだいぶ待たされやっと入国できた。

 1/21(大晦日)夜中に起こされたため、よく眠れないままハノイに到着した。大晦日の夜、湖のほとりに舞台が作られ、大道芸が行われていた。なかなか面白かったのだがそれよりも、大道芸を見に来ているハノイの人達が凄かった。みんな歩くのと同じようにバイクに乗っているので、大道芸を見るのにもバイクに乗っている。隙間がないくらい、どんどんバイクで前に詰めてくる。さながら暴走族の大集会が行われているかのようだった。
 0時前からはカウントダウンが始まり、0時には湖から花火があがった。その後もたくさんの人たちが、道端でござを引いてお茶を飲んでいた。ハノイの人たちは外にいるのが好きなのだ。 1/22(旧正月)午前中はいつもの喧騒がうそのように、バイクの数が少なく、お店もみんな閉まっていた。午後になると、きれいな洋服を着て、家族そろって出かけはじめる。湖のほとりには青空写真スタジオが並んでいた。みんなお正月には写真を撮るらしく、なかなか繁盛していた。
 ハノイの旧正月は派手ではなかったけれど、普通のベトナム人のお正月の過ごし方を見ることができてよかった。

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